エルグランドE52 ウインカーランプのLED化

 


 今回使用するのは、車載用LED電球のパイオニアである「ピカキュウ」さんの新商品「極みシリーズ」のT20ウィンカー球です。
 ポジション球を4つとも交換しますので、2セット買ってください。なお、ハイフラ対策として並列抵抗器3Ωを2個、同時に購入します。(自動的にレジに入ります。)

 なお、エルグランドE52はウィンカーリレーが交換不可能ですので、原則、この並列抵抗が必要です。この部分については、後で説明しますので、最後までしっかり読んでから、取り付け作業を行ってください。
  なお、保安基準に関してはこちらをご参照ください。


 最初は、リア側から交換します。難工事ですので、覚悟しておいてください。力が要りますので、女性にはちょっと無理です。

 リアコンビネーションランプユニットを外すには、まず黒い目隠しカバーを外します。上の方から、市販の「内装外し工具」や「マイナスドライバー」を使って、こじるように剥がしてください。できれば、作業は冬の寒い日より、暖かい日の方が良いです。

 目隠しパネルは、このようにプラスチックのブッシングで3箇所留まっています。このブッシングは再利用可能です。

 次にリアコンビネーションランプのユニットを外します。

 まずはボルト2本を外します。スパナでは無理なので、φ10mmのボックスドライバーを使ってください。

 作業が楽になるように、すぐ上の樹脂製ボディカバーを留めているボルトも外しておくと良いでしょう。

 外れたら、リアコンビを車体から引き剥がします。そうとうな力仕事です。ユサユサと揺らしながら真っ直ぐ手前に引き抜きます。内装剥がし工具を突っ込めば比較的作業は楽になります。私はこの作業に約5分掛かりました。慎重に、かつ大胆に作業してください。

 リアコンビネーションランプユニットの裏面です。3本のピンがボディー側の取り付け穴に刺さっており、これが取り外しを難しくしている原因です。

 ウィンカー球を交換します。オレンジ色のバルブホルダーを、左に回して引き抜きます。

 ウェッジ球(オレンジ色の電球)を引き抜き、購入したLED電球に交換します。極性はありませんので、どちら向きでも構いません。カッチと嵌るまで挿入してください。

 元に戻す前に、ウィンカーの動作テストをしてください。ハイフラ状態ですが問題ありません。

 動作確認したら、逆の順序で元通りに戻してください。組み立ては楽勝です。(そもそも組み立て時間の短縮が優先で、電球交換のことは考慮されていない、余り宜しくない設計です。)

 左側も同様にウィンカー球を交換します。

 フロント側のウィンカー球を交換します。ちょっと手が入り難いですが、楽勝です。

 バルブホルダーの根元にある保護チューブを30mmほど剥いておきます。カッターナイフで切れ目を入れておけばOKです。ハーネス(電線)に傷を入れないように、慎重に作業をして下さい。

 ハイフラ防止抵抗をボディーに留めます。この抵抗は、ウィンカー動作時に手で触れられなくなる程、発熱しますので、絶対に樹脂部と接触しないようにしてください。

 両面テープは熱で粘着力が無くなるので、必ず付属のアルミテープで、金属部に固定してください。

 ハイフラ防止抵抗の配線を行います。付属のカプラーを使って取り付けます。

 カプラーは外れやすいので、電気工事用のビニルテープを巻いておきます。

 フロント左側の取り付け状態です。ハイフラ防止抵抗は、ボディーに直接取り付けています。

 電球とLEDの点灯状態の比較です。LEDは無点灯時は透明で、点灯時のみオレンジです。切れの良さは抜群ですね。


PIAA H-538を使う

 ハイフラ防止抵抗を使うと、LEDの利点である省エネ効果は期待できません。

 省エネ化するには、ピアから発売されているLEDレギュレーターを使うのが確実です。

 この製品は、熱にするのではなく、昇圧型スイッチングレギュレーターで、バッテリーに電力を回生します。電流調整はマイコンによる自動調整です。参入障壁が高く、他のメーカーからは同様の製品が出ていないようでうです。(OEM品らしき物はある)

 取り扱い説明書に従い、作業を進めます。付属のカプラーは、ピカキュウの商品より良くできています。ロック機構があり、一度噛み込むと外れない仕組みになっています。従い、ビニールテープは不要です。

 右側は作業が難しいです。一旦エンジン側にハーネスを引き出して作業をする必要があります。

 なお、リア側の作業は全く必要としません。ハイフラ防止抵抗の代わりに、レギュレーターを付けるイメージです。

 バッテリーに電力を回生しますので、当然ながら、バッテリーへの配線が必要です。

 バッテリーのプラス側の配線です。必ずバッテリーの根元に配線してください。

 バッテリーのマイナス側の配線です。回生電力は40-50W程度ですので、ハーネスは細いです。

 レギュレーター本体は、車体の空きスペースに付属の両面テープで固定します。

 スイッチング効率は80-90%なので、発熱量は悪くても8-10W程度でしょう。ほとんど気にしなくても良いです。なお、抵抗の場合、48W消費します。雲泥の差です。

 全体の配線ができたら、取り扱い説明書に従って、ウィンカーの学習作業をさせます。

 ここで失敗しないポイントは、フロント側のLED球を外した状態でセットアップしてください。セットアップ後に、フロントのLED球を付けてください。

 

配線を美しく仕上げたい方には、エーモンの「配線チューブ」がお勧めです。下記写真を参考にチューブを被せてください。もはや純正配管とは見分けが付かない完璧な仕上がりです。


レギュレーターの誤動作対策

 1月に入り外気温が氷点下になると、朝一番にウィンカーのハイフラ現象が起きるようになった。2回目からは起きないようだが、ハイフラに一瞬なってから正常動作するケースもでてきた。よくPIAAのH-538にPIAA純正以外のLEDを組み合わせると誤動作するとのレポートを見るが、それだ。
 ハイフラ現象が起きる原因は、ウィンカーリレーに流れる電流が規定値以下の場合である。LED化すれば電流が極端に少なくなる。それを補うのがレギュレーターやハイフラ防止抵抗だ。PIAAレギュレーターを解析してみると、DC/DCコンバーターであり、昇圧回路によってバッテリーに電流を回生している。内蔵のマイコンが初期設定時に、ハイフラ現象が起きない回生電流を決めている。
 しかし、回生できるかどうかは、レギュレーターの出力電圧が、バッテリー電圧より高いことが絶対条件になる。(電流は、電圧の高い方から低い方にしか流れない)PIAAの取り扱い説明書にも触れられているが、バッテリーに表層電圧という高い電圧が溜まっていると、上手く動作できないとある。寒い日の朝一番はバッテリー電圧が低下し、オルターネーターからの充電で、始動直後のバッテリー電圧が高くなっている。その為に、回生が十分できないのだろうと推測する。
 一方、掲示板などでは、「PIAAの純正LEDなら上手く行く」と書かれてあり、取り扱い説明書にも、PIAAのLED以外はサポート対象外とある。では一体、PIAAの純正LEDなら上手くいって、純正以外なら上手く行かない理由はあるのだろうか。
 素人はPIAAの純正LEDに何か小細工がしてあると勘ぐるだろうが、価格面や構造面を考えてもそれは有り得ないと思う。何か問題が起きる原因があるとすれば、純正LEDなら調整可能で、純正以外なら調整できない何らかの特性である。それはLED球に流れる電流値と推測する。

 PIAAの純正ウィンカーLEDは「超テラ・エボリューション」と呼ばれるのもで、3タイプ4種類のLED球がある。E52用として指定されているのはT20のオレンジ球で、明るさの違う6W品と4W品の2種類がある。これであれば正常動作が保証される。
 一方、私が使用したのは、ピカQの「極みシリーズ」の3.5W品である。ウィンカー球は前後で2球あるから、PIAA純正品との比較で、左右それぞれ1W分の負荷が不足していると考えられる。 この1W分を並列抵抗で消費させてみる。

 1Wを消費させるには144Ωの抵抗が必要だが、そんなに都合の良い値の抵抗器はない。E24系列から抵抗値を選択する必要があり、今回は100Ωにした。
 100Ωの抵抗に12Vの電圧が掛かるので、消費電力は1.44Wとなる。抵抗器の許容損失は余裕をみて5Wタイプとした。
 左右チャンネルの2個分を用意した。プリント基板に実装する際は、図のように足を浮かせるのがポイントである。

 車体の振動で取れないように、しっかり半田付けを行う。今回使用したケースはケイシンの汎用品である。通販でも手に入る。
 ハーネスはケースにΦ3mmの穴を開けて通しておく。アルミ製の裏蓋を付けて出来上がり。
 実際にはウィンカーは点滅を繰り返すので、消費電力は半分程度となる。すなわち、約8.5V程度を印加した時と同じ発熱量である。 実際にこの電圧で30分間放置したが、ケース温度は飽和状態になっても少し暖かくなる程度である。

 実際に取り付けた様子。マイナス端子は既存の車体への接続ボルトを流用しているが、車体との接続をテスターなどで十分に確認して欲しい。
 なお、セットアップはH-538の取説通りに行った。今回は裏技である「前方LED外しで調整」は行わない。  
 これで朝一番のハイフラ現象が改善されるのか、暫く様子を見ることにする。

 抵抗対策をして1週間が経過、寒い日もあったがハイフラ現象は一切起きない。やはりピア純正バルブと同じ消費電力であれば、H-538は正常な動作をするようだ。


PIAAレギュレーターの解析はこちら


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あくまで「自己責任」でお願いします。

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