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リチウムイオン電池なら循環電流は流れない?
電池に電位差があれば循環電流は流れます。これはどのような種類の電池でも同じです。
電池にはセルと呼ばれる最小単位の電池があります。このセルをバスバーと呼ばれる電極を溶接して直列や並列にしたものをモジュール(組電池)と呼びます。モジュールに電圧や温度を監視するBMS、充放電回路や冷却機構などの機能を盛り込み一つのパッケージとしてまとめ上げたものをパックと呼びます。
市販されているリチウムイオン電池は殆どがこのパックになります。パックの中には、セル間に循環電流が流れないように、セル電圧を調整する機能が内蔵されています。しかし、パック同士を並列に接続する場合には、他の電池と同様にパックの電位差によりパック間に循環電流が流れます。
誤解が多いのは、新品の同一型番の電池を並列にして使用し、循環電流は流れないと断言されている方です。この場合は、鉛電池でも循環電流は流れません。循環電流は、電池が使用により劣化し内部抵抗にばらつきが生じた時に流れます。或いは、型番の違う=内部抵抗が異なる電池を並列にした時にも流れます。
リチウムイオン電池に取り替えるメリットは、SOCが0%付近まで使えることです。鉛電池では80-70%程度で充電しないと、寿命(繰り返しサイクル)が短くなってしまいますが、リチウムイオン電池にはそれが殆ど無いと言うことです。言い換えれば、今まで4並列で鉛電池を使っていたなら、同容量のリチウムイオン電池なら1個で済むということです。勿論、チャージコントローラーをリチウムイオン電池専用品に換えた場合の話です。 |
リチウムイオン電池の試験導入(2024.2.17)
バッテリー1号機と2号機が設置より9年目を迎え、機能しなくなりました。3号機と4号機も4年を経過し、不照日が長引くとバッテリー残量が底を尽き、停電が発生する事態になりました。
1号機と2号機の入れ替えを検討しましたが、鉛蓄電池に替えてリチウムイオン電池を導入することにしました。近年、鉛電池置き換え用の12.8Vリン酸鉄系のリチウムイオン電池が、比較的購入し易くなってきました。
リン酸鉄系のリチウムイオン電池は、内部短絡し難くNMC系に比べると安全性が高いのですが、鉛バッテリーとは充放電特性が異なり、上手く充放電できるか試してみる必要があります。そこで1号機のみ交換して、暫く様子を見ることにします。 |
| バッテリー残量計が真っ白、交換サインがでています。 |
12.8V系のリチウムイオン電池は、Amazonに沢山出品されています。ATLやBYDのような中国の有名電池メーカーはセル製造に専念していますので、パック電池のメーカーは知らない会社ばかりです。ユーザー評価に頼る以外に選択の手段がありません。
私はAmazonで物を購入する場合には、評価点5点と4点で全体の6割以上、かつ1点のユーザー評価を細かく見てから買うことにしています。しかし、中国製品に限っては、良い評価をしたユーザーにギフト券を送るなど、正しい評価が記載されているか怪しい商品が沢山あります。
そこで、サクラチェッカーで商品を選ぶことにしました。このソフトウェアは、Amazonで過去購入した中国製品を調べるとよく当たっており、信頼ができると感じました。
事前に私が調査した段階では、LiTimeの12.8V100Aminが良さそうでしたが、サクラチェッカーでは偽物レビュー度が99%で「危険」との判定でした。殆どのリチウムイオンバッテリーが「危険」の評価が続く中、RedOdoの製品のみが、どの製品も「安心」マークでした。
私の見立てでは、LiTimeもRedOdoも同じ製品で、ラベルが違うだけだと思います。日本語の取説が入っている点や、日本での倉庫の場所も同じです。RedOdoはLGBTのような玄人受けしないデザインですが、ここはサクラチェッカーを信用することにしました。
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取説に、詳しく充電モードの説明があります。これを見る限りは鉛蓄電池との違いは、フローティング充電が無いだけで、CC充電やCV充電は同じ方式だと分かります。ただし、コントローラーの設定を見ますと、若干パラメーター(設定電圧)が異なるようです。
当所で使用しているチャージコントローラーは、リチウムイオン電池には対応していませんが、パラメーター変更はできます。しかし、今回は鉛蓄電池と混在が目的で、循環電流防止装置を組み込んでいますので、従来通りの設定で使用したいと考えます。
後日、2-4号機をリチウムイオン電池に全部入れ替えてた段階で、設定を変更することにします。 |
外観、どこにもPSEマークはありません。 | 実はPSEには該当しない製品なので、マークが無いのが正解です。 |
ターミナルが頂けない。凸型でないので接続し難い。(要改善) | こういうターミナル金具が付属しています。見た目にしょぼい。
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取説に従い初期電圧を測定する。 | 鉛蓄電池と置き換えたところ。容積が小さいので、保温バッグの中はスッキリ。 |
何事も無かったように、元通りです。 | セットアップ完了です。 暫く、これで様子を見ます。リチウムイオン電池と鉛蓄電池の並列接続、循環電流防止装置が無ければ成立しない組み合わせですね。 |
リチウムイオン電池の試験導入U(2024.3.20)
バッテリー1号機をリン酸鉄系リチウムイオン電池(LFP系電池)に置き換えて、早1ヶ月が経過しました。特に問題もなく使えているようですので、バッテリー2号機もLFP系電池に置き換えることにしました。
鉛蓄電池の置き換え用として、12V100AhのLFP系電池の価格が最近一気に下がり、4万円弱で買える商品が増えています。今回は関西バッテリーが販売している商品を導入しました。理由は、古くからある日本のバッテリー代理店であることと、製造元が中国恵州のRoyPowであることです。
このRoyPowは、バッテリー関係で急成長している会社で、中国EVE※の子会社です。EVEのセルを使って、パックを自社生産しています。過去、RoyPowの他の製品も買ってみましたが、特に問題なく使用できており、会社自体の信頼性は全く問題ないと思われます。
※恵州にある世界第5位のリチウムイオン電池メーカーで、JT時代に電池の調達で訪問したことがあります。副社長の黄さんが三洋電機洲本工場の出身者で、セルの製造技術はかなりレベルが高い。 |
RedOdoと横幅と高さはほぼ同寸 | RedOdoより若干奥行きがある。 |
| RedOdoとの一番の違いは、本体に充電量表示用の白LEDとBlueThooth用の青LEDがあります。
スマホにRoyPow fishをダウンロードし、本体の電源ボタンを押すと同期を開始します。通信中は暫くBlueThooth用の青LEDが点灯します。
このアプリで、複数のバッテリーを監視することができるようです。バッテリーの残容量%は勿論、充放電のサイクル数、各セルの電圧と温度も閲覧できます。
充電量表示用LEDは、電源ボタンを押した後、暫くだけ点灯します。セットアップ後は、バッテリーから5mくらい離れていても通信が可能です。
なお、取説には、出荷時はSOC30%以下と書いてあり、満充電にしてから使用して下さいと書かれていますが、実際にはSOCは82%でした。電池の内梱包が開梱されていたので、出荷前に充電したのだと思われます。(鉛バッテリーでは出荷前に充電するのが慣例で、それに準拠?) |
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