ついに循環電流の尻尾を捕まえた

 独立型太陽光発電に限らず、ヨットやキャンピングカーなどで大量の蓄電池を必要とする用途は多いです。蓄電池を並列に繋ぐと「循環電流」という呪縛にとりつかれます。それは電池同士がお互いに電気を食い合い、折角溜めた電気が無くなってしまう不思議な現象です。Webや書籍にこの現象についての説明は沢山ありますが、肝心の解決方法は「電池は並列にしてはいけない」とだけあります。これでは納得が行きません。
 循環電流に悩まされること2カ月、ついにその解決方法が見つかりました。ちょっとした回路を付加することで、物の見事に解決できました。この方法なら幾ら蓄電池を並列に繋いでも大丈夫です。もうこれで蓄電池切替えスイッチともお去らばです。皆さんも是非ともお試しあれ。


循環電流とは

 電池を並列に接続した時に電池間を流れる電流を言います。電池の起電力の違いは勿論ですが、内部抵抗の違いも循環電流が流れる原因となります。
 循環電流が流れると電池に蓄えられた電気エネルギーが他の電池内部で消耗されるため、負荷をつないで使わなくても電池が減ってしまいます。そうです「1+1が2以下」になります。


実際に起こる現象

 当所に於いて2種類の鉛蓄電池を設置して実際に起きたことを説明します。以前より12V105Ahの蓄電池を2台並列で使用した限りでは問題は起きませんでした。ところが、同じメーカーの容量の違う115Ahの蓄電池を並列に使用した直後から様相がおかしくなります。日増しに電圧が低下してついには終止電圧まで下がります。そして殆ど充電されなくなってしまいます。
 勿論、バッテリーチャージャーで補充電すれば元には戻りますが、また同じ結果になります。容量が違うからだと考えて、115Ahの蓄電池だけを2台並列にしても似たような現象になります。今度は問題の無かった105Ahも同じ現象を示すようになり、悪影響を与えられたようです。


一般的な対策手段

 蓄電池を2台以上使う用途としてはヨットやキャンピングカーがあります。古くからバッテリースイッチという切替器が使われています。要するに無くなったら手動で切替える方法です。
 また、充電時は一台ずつ充電し、使用時はダイオードを介して負荷に接続することで、循環電流を防止する方法も使われているようです。これはヒントになります。
 なお、サブバッテリーチャージャーという商品もありますが、車両本体の発電機から充電を分岐させるもので、今回のような目的には合いません。


少し考察してみる

 充電時に図3の回路が使えるなら、放電時には逆にしてみれば良いかと考えました。
 今回はこの負荷と電源が一体化したものがチャージコントローラだと考えば良いと思います。とすると、充電状態か放電状態かで図4と図3を切替える回路を負荷すれば、課題は解決できそうです。

 細かな話しは別で説明するとして、おおよそ左図のようなブロック構成で目的が達成できるのではないかと思われます。
 基本的な構成として、蓄電池への電流方向を検出して、上記の充電用回路と放電用回路を交互にFETスイッチで切替えれば、目標は達成できそうです。
 ポイントは充放電の境界領域であるゼロ電流付近を正確に切替えられるかです。


主要パーツのスペックを決める

1.電流センサの選定
 電流を計測するにはシャント抵抗を使って電圧値で測定する方法、カレントトランスを使って非接触で検出する方法等があります。前者は抵抗による電力損失が大きく、また低抵抗にすると配線ロス分を含め校正が必要になります。大電流測定にはお勧めしません。後者は電流増幅アンプと校正が必要になります。
 こういった用途に向けて電流センサ専門のURDからホール素子とアンプを内蔵した電流計測モジュールが販売されています。価格は2千円と少々高価ですが、電源さえ用意すれば簡単に高精度の電流検出が可能です。今回は、ゼロ電流付近を正確に検出したいので、電流方向によって出力の極性が変る両電源タイプを採用します。想定している電流は15A以下ですので、FPS-15-APを使いました。


2.オペアンプの選定
 今回センサ用に両電源を用意しますので、オペアンプはゼロボルト付近を正確に検出できます。従い、特にレールツーレール等の特殊なものは必要なく、ごく普通の汎用品を使用できます。コンパレータ回路と反転回路を組みますので2回路タイプのフェアチャイルド製LM358Nを使用しました。
 オフセットドリフト等の問題が出てくる可能性もあり、ローオフセットタイプや感度の高いFET入力タイプも試しては見ましたが、入力がFETであるとノイズの影響なのでしょうか動作が若干不安定ではないかと感じましたので、安い汎用品を使用しています。


3.MOS-FETの選定
 今回は電源に対してプラス側(ハイサイド)スイッチとなりますので、Pチャンネルタイプを使用します。ゲート入力がローになった時にONします。ゲート入力は両電源のコンパレータ出力なので、ほぼ電源電圧の範囲から±2V程度内側に振れます。
 最近は汎用品でも殆どがエンハンスメントタイプ(ゼロ電圧から立ち上がるタイプ)なので、大抵のモノは使用可能です。損失を少なくするため、できるだけオン抵抗の小さなモノを選んで下さい。今回は秋月電子で販売されている東芝製2SJ334を使用しました。


4.逆流防止用ダイオードの選定
 ダイオードは順方向の電圧低下(Vf値)の少ないショットキーバリア型を採用します。ただし、Vfが小さいと逆電流Irが大きくなる傾向にありますので選定には注意が必要です。循環電流は逆電流として流れます。
 また、今回は蓄電池を4台接続して使用することを考えていますので、ダイオードは全部で8個必要です。配線の手間も掛かりますので、ブリッジダイオードを使用することにしました。これなら1パッケージに4個入っていますので、2セットで済みます。
 ショットキータイプでかつ、ブリッジダイオードとなると選択肢は限られます。今回は秋月電子で販売されている新電元製D15XBS6を使用しました。気になる逆電流Irですが、Max.6mAと僅かで、これなら使えそうです。


5.電源モジュールの選定
 電流センサとオペアンプに±15Vの電源が必要です。本機はDC12V入力で動作させ、コモンGND化を図るために基板実装タイプの絶縁型DC/DCコンバーターモジュールを活用します。
 使い慣れたTDKラムダ製CC6-1212DF-Eを使用します。マルツで入手可能です。一つだけ注意があります。RC端子をGNDに落とすのを忘れないで下さい。データシートの回路図にちょっこと書いてあるだけで見落とし易く、電源が入らず焦ってしまいます。


予備実験

 本番設計に先立ち、ブレッドボードを使って基礎的要件の確認を行います。回路確認を行ったのは以下2点です。
 1.充電時の動作
 2.放電時の動作
 3.平衡時の挙動

注)ブレッドボード状の白い光は負荷用のLED豆球

1.放電状態の再現
左:電源電圧 < 右:蓄電池電圧

手前LEDにてFETドライバー状況を表示
左:放電状態、右:充電状態
左ランプ点灯確認

2.充電状態の再現
左:電源電圧 > 右:蓄電池電圧

手前LEDにてFETドライバー状況を表示
左:放電状態、右:充電状態
右ランプ点灯確認

2.平衡状態の再現
左:電源電圧 < 右:蓄電池電圧
ではあるが、この電源電圧±0.1Vの範囲で
充放電平衡状態を確認

手前LEDにてFETドライバー状況を表示
左:放電状態、右:充電状態
左右ランプの交互点灯確認

仕様

・入力4回路(DC12V鉛蓄電池専用)
・サーキットブレーカー(15A,4回路)
・接続/開放/補充電の切替SW(4回路)
・放電/充電/補充電 パイロットLED
・出力1回路
・充電器接続1回路


循環電流防止装置の製作

 予備実験の結果を踏まえ、製作したのが左の作品です。
 回路にご興味のある方には設計情報を公開させて頂きます。ご自身で製作される時の参考にして頂ければ幸いです。なお、各資料は無断転載禁止とします。

 ・設計資料(PDF)

 ・回路図 2020.5.27版 (PDF)

 ・部品表(PDF)

 ・基板パターン図(PDF)

 ・製作注意事項 2020.5.27版 (PDF)

 上記データをご覧になりたい方はご連絡ください。パスワード(無料)を教えます。
 なお、こちらの記事はサポートを終了しております。新規製作はアップデート版を参考にしてください。

カバーには保護フィルムが付いております。

 今回はタカチ製の市販ケースMBC150611を利用しましたが、穴加工が多い上カバーは井上商事に製作を依頼致しました。

 ・上カバーCAD図面(PDF)

1.基板を組み立てます。
 今回はサンハヤトのラグ端子付きユニバーサール基板AT-48を活用しています。部品点数は驚くほど少ないです。

配線は「基板パターン図」を参考に行って下さい。大電流が流れる部分はAWG20-18等を使用して十分にハンダを流して下さい。信号線は細くても構いません。

2.ケースに部品を付けます。
 穴開け加工は現物合わせで行います。先ずは基板を仮固定します。その状態でFETとブリッジダイオードの位置決めをして穴位置を決めてから、穴加工をします。まだハンダ付けしないで下さい。

ハンダ前の基板、FETとブリッジダイオードの取付け状態です。半導体の足曲げには細心の注意をして下さい。ラジオペンチ2本で根元にストレスの掛からぬように曲げて下さい。半導体に放熱グリスを塗ってからネジを締めて下さい。ハンダは写真のように組み上がってから最後に行います。

3.中間検査を行います。
 ここまでで回路が正しく動作するか検査を行います。バッテリーと電源を繋ぎ、電源電圧を変えてチェックします。バッテリーは4回路ともにチェックします。

4.上カバーに部品を取付けます。
 今回は穴加工済みですので、作業は楽勝です。傷つけないように丁寧に落ち着いて作業をして下さい。

 BlueSeaのサーキットブレーカーは端子台タイプですが、今回は直接ハンダ付けしますのでネジを外します。事前に端子部エッジにハンダを馴染ませておいて下さい。

5.ケースとカバー間の配線を行います。
 LEDの結線はAWG24-28で十分ですが、それ以外の部分はAWG18-20の太い撚り線を用いて十分にハンダを流し込んで接続します。大きな電流が流れますので確実に作業を行って下さい。

6.完成検査を行います。
 組立後、正しく動作するか検査を行います。バッテリーと電源を繋ぎ、電源電圧を変えてチェックします。バッテリーは4回路ともにチェックします。また補充電用端子にも電源を繋ぎ、トグルSWを切替えて各バッテリー端子に接続できるかも確認します。

効果検証

 構想から約1カ月を経て2011年12月18日に装置が完成*しました。これから数カ月、様々な条件にてテストを行いました。(*この記事を公開したのは、特許出願後の2012年10月6日です。)

完成した装置の実装

 以前サーキットブレーカーがあった位置にピッタリ収まっています。バッテリーチャージャーともスイッチひとつで連動できるようなりました。トグルスイッチは見た目は武骨ですが抜群の操作フィーリングです。

システム全体図

 440Ahのバッテリーはかなり大掛かりなイメージです。金属ラックの耐荷重150kgはクリアーしていますが。
 使用バッテリーは、G&Yのディープサイクルバッテリー2種類です。
 SMF27MS-730 105Ah(20H) x2
  2010年8月と2011年2月に導入
 SMF31MS-850 115Ah(20H) x2
  2011年11月に2台導入
電池の劣化による容量違いがあり、実験には適していると考えます。

 今回リニューアルしたAC盤です。各制御盤の裏側に位置しています。

 AC盤に取付けられたバッテリーチャージャーです。スイッチング電源方式で最大充電電流が10Aでもコンパクトです。3段階充電の本格的なもので太陽電池用のチャージコントローラより深く充電されます。

 蓄電池電圧を計るのではなく、毎日の発電/消費/充電(発電ー消費)/理論蓄電量(蓄電池の計算上の残容量)をグラフで示しています。

改善前1

 容量の異なる蓄電池を3台並列接続した例です。3台共にフル充電の状態から接続して時間の経過による変化を現わしています。
 負荷は天候により若干は変化しますが、400Wh/dayが基準になります。それ以下の容量では夜間に庭園灯の電源が切れます。
 冬場は日射量が少なく発電量が少ない為、余剰電力も少なく、蓄電池からの持ちだし分が多くなります。従って推定蓄電量も低下して行きます。蓄電量がゼロになると夜間の電力不足が発生します。これ自体は止むを得ないことです。
 問題はこの後、日射量が良くなって余剰電力で蓄電池が充電されている筈が、実際には殆ど充電されず、夜間の電力不足が解消されないことです。(緑で囲んだ部分)

 ゼロと表示されていても、蓄電池の電力量は完全に無くなる訳ではありません。チャージコントローラにより決められた終止電圧以下になると蓄電池は負荷と切離されます。また回復電圧(>終止電圧)になれば再接続されることで、蓄電池を過放電から保護し、寿命を延ばしています。当所の蓄電池設備では公称容量の約25%程度が実際に使用可能な電力です。これを元に蓄電量を計算しています。(ゼロでも75%は残るが数千サイクル使うには必須の措置です)

改善前2

 仕方なく蓄電池をバッテリーチャージャで補充電して再スタートさせます。
 最初は旧来から使用してる105AhのSMF27MS-730を2台用いての検証です。この方法は約1年間の実績があり、過去、循環電流は起こっていないと考えていました。
 結果はグラフの通りで、13日までは順調に使用できました。最終日が残量が十分にある筈ですが、実際には夜間に電力が切れました。やはり軽微な問題はあるようです。
 次は14日から、新しく購入した115AhのSMF31MS-850を2台用いての検証です。天候の良い日が続き余剰電力もかなり発生して、蓄電量は増える筈です。実際には満充電からスタートしますので、それ以上充電できませんので、蓄電池は容量は満充電に近い状態が保たれている筈です。
 ところが、初日から夜間電力の不足が発生し、一向に改善されない事態となりました。これは明らかに循環電流による浪費が蓄電池内部で起こっていると推測されます。
 「同種の新品蓄電池では循環電流は起こらない」との記事を散見しますが、明らかに間違っています。やはり並列接続には問題がありです。

 25日〜28日まで夜間電力が不足していますが、これは故意に終止電圧設定を0.5V引上げたことに起因しています。

改善後1

 最初のテストはかなり厳しいテストです。上記の使用途中(殆どゼロ状態と推測されるSMF31MS-850)の2台に満充電状態のSMF27MS-730を2台を循環電流防止装置を介して接続しました。
 普通に考えれば循環電流によって一気に電力が消耗されそうなものですが、見事に循環電流は断ち切られ、11日間の実験に耐えました。
 29日からの実験は、4台フル充電状態からのテストです。天候が悪く発電不足の日が続いていますが、6日間無事終了です。
 お正月明け4日からは、前回で大問題を発生したSMF31MS-850を2台用いてのテストをしました。3日間のテストでも大きく蓄電量が低下することがありませんでした。

改善後2

 更に検証すべく、GSユアサ製35Ah(20H)の小型ディープサイクルバッテリーと従来からの105Ahバッテリーとの並列試験を実施しました。容量差が3倍とあまりにも大きく、通常は並列にして使用することは無い組合せです。

 推定蓄電量※は循環電流が発生しない場合の蓄電池の合計容量であり、発電量<消費量の時は接続時から下がり続けますが、循環電流が発生すると、これ以上に蓄電量が少なくなり、負荷への電力供給が止まる可能性もあります。しかし、ほぼ推定蓄電量まで電力供給が成されており、循環電流は発生していないと言えます。
※電池の全容量ではなく、実際に使用可能な容量です。チャージコントローラの終止電圧の設定に依りますが、当サイトの場合は全容量の25%と推定されます。

検証結果

 データを比較して戴ければ一定の効果があることは明らかです。3倍の容量差のある蓄電池を2台用いてのテストでも循環電流によるロスは発生していません。
 簡単な回路で複数台の蓄電池を並列接続して利用できるメリットは大きく、独立型太陽光発電所に限らず、ヨットやキャンピングカーの世界にも革命をもたらすものと思います。


近況報告

 当サイトも3年が経過しました。最近、Vpmの値が従来の17Vから14V付近に低下しています。出力も設置時の80-70%に落ちています。原因は太陽電池モジュールの劣化だと思われます。1号機(30W3年経過)にはグリッド線に焼けたような跡があります。2号機および3号機には見た目の変化はありません。

 最近、中国製モジュールに於いて、封止材であるEVAという樹脂材質の劣化で透過率が下がり、出力が低下し市場問題が発生しているという話しを耳にします。当所もそのような粗悪品を掴まされた可能性を否定できません。メーカー保証は1年間ですから、安いのはそれなりの性能と言えなくはないですが、モジュール価格よりも設置金具や労力の方が掛かっていますので、結局は「安物買いの銭失い」になります。
 一方、国内S社製の小型モジュール(18V33W)が4台入手できましたので、そちらの設置を急ぐことにします。モジュール劣化時でも充電電圧を確保できるように入力電圧の昇圧化も検討中です。乞うご期待。


ブリッジダイオードのVf(順方向電圧降下)の影響が気になる方へ

 更に電圧降下の小さな理想ダイオード(FET整流)をお試しください。FETのON抵抗(低いもので数mΩ:リレーの接点抵抗と差異なし)のみの損失となります。理想ダイオードを作るには専用の制御ICが必要で、各半導体メーカーから発売されております。使いやすい理想ダイオードのモジュールが各社より発売されていますので、そちらに置き換えると良いでしょう。注)当方で動作確認はしておりません。あくまでスペック調査の結果です。

メーカー名

製品名

秋月電子

LTC4358理想ダイオードモジュール

ストロベリーリナックス

LTC4358理想ダイオードモジュール
LM74610スマートダイオードモジュール

アナログデバイセス
(半導体メーカー)

DC1676A(LTC4359DCB Demoboard)
2回路入り、少々お高いですが、プロテクション回路やFETボディダイオード対策など、完璧な回路構成になっています。

マキシムインテグレーディド
(半導体メーカー)

MAX16141EVKIT
1回路でお高いですが、ほぼ完璧な設計です。


お知らせ

 ご興味のある方には、パスワードを開示しております。こちらからお問い合わせください。
 既にパスワードをお問い合わせ頂いた方が100名を超えております。こちらをご覧ください。


特許出願

 本循環電流防止装置は、Web公開前に特許出願済です。(特願2012-205213)商用でご利用される場合には、十分にご注意下さい。

 個人利用はご自身で製作し使用する場合に限り特許侵害にはあたりませんが、自作PCBや試作品を第三者に譲渡する行為は、有償無償にかかわらず特許侵害となります。


特許が成立しました

 本特許出願は、2017年1月20日に特許庁により特許登録を受けました。6年分の特許料を納付しております。
 本特許は、次のような機器に応用できます。
・太陽光発電用チャージコントローラ
・キャンピングカー用走行充電器
・鉛蓄電池を使った電源装置
 (山小屋、中継基地、発展途上地域の電源)


 従来、蓄電池交換は、全ての蓄電池を一括、かつ全て同型の電池を使用する必要がありました。本特許を活用することで、不良蓄電池のみを部分的に交換することが可能になり、メンテナンスコストを大幅に抑えることができます。


 ライセンスにご興味のある企業様は、是非ともご一報ください。特許権の譲渡、使用許諾につき、前向きに検討いたします。
 既に90件以上のお問い合わせがあり、製品化を望まれている方も多く、ビジネスチャンスはあると考えます。


なぜ電子回路が必要か

 ネットで循環電流防止について、様々なアプローチを見かけます。もっと簡単に実現できる方法はないのか?そう思うわれるお気持ちは察します。以下に素人でも思いつく回路の例と問題点を書いてありますので、ご参考にしてください。


 Fig1.は電気の知識のある人なら、誰でも思いつく一番簡単な回路です。しかし、この回路には大きな問題があります。チャージコントローラ(CC)に電源が供給されません。
 CCは電子回路であり、その電源は太陽電池から電源供給を受けていると誤解している方がいますが、それでは夜間は電源供給できません。CCの取扱説明書を見れば、「最初にバッテリーに接続するように。先に太陽電池を接続すると故障の原因になる。」と書かれています。
 そこで少し知識がある人は、Fig.2のような回路を考えるでしょう。CC用の電源としてバテリー5を追加します。ところが、こうするとCCはV5だけを認識するようになり、V1-V4は上手く充電ができません。

 CCのバッテリー端子は、自らの電源供給と充電を兼ね備えており、電子回路による高速の充放電の自動切り替え無くして、上手く循環電流は回避できません。
 なお、太陽光発電の電力は半導体並みの応答速度で刻々と変化しており、電磁リレーでは切り替えが遅くて使い物になりません。
 ご参考までに、当所の調査によりますと、大半のCCは、太陽電池側とバッテリー側は共通GNDになっておりません。従い、ご自身で回路を考案される場合には、CCを壊さないようにご注意ください。

 また、本稿のようなやり方で本当に循環電流が防止でき、尚且つバッテリーがまともに使えるのか?と疑問をお持ちの方は、こちらをご参照下さい。


循環電流防止装置パート2(2020.6.9)

 発明から早8年が経過しました。個人的には還暦を迎え、長く努めた会社も定年退職し、今は別の会社で嘱託で後進を育てています。

 その間、100名を超える皆様からのお便りを頂き、新ためて循環電流にお悩みの方が多いと気づきました。この8年間に技術も進歩し、新しい部品も登場していることから、最新の技術を使って作り直そうと考えました。

 折しも3月からコロナ禍に見舞われ、外出制限が出て、いやおうなく自宅で過ごさざるを得なくなり、これを機会のkiCADの勉強を始めました。従来の回路図エディターや基板エディターとは違い、本格的な設計支援のソフトにも関わらず、無料の部品ライブラリーも揃っていて、設計が随分と楽になりました。

 配線ミスやレイアウトミスはコンピュータがチェックしてくれますし、3Dモデルで如何にも試作したような気分にさせてくれるところは最高ですね。 われながら結構煮詰まった設計だと思っていますので、ぜひ皆さんには試作して欲しいと思い公開させていただきました。


現行版のアップデート

 現行版は部品点数が少なく、分かりやすいのが特徴です。しかし、穴あき基板を使っているため、組み立て難いという欠点があります。一方、近年はFusion PCBのように100mm四方の基板であれば、数千円で製作してくれる業者も出てきました。
 また、最新の部品を使用すれば、もう少しロス(順方向電圧低下)も防げます。入門編として、比較的敷居の低い現行版を最新の技術でアップデートしました。これから作る方は、こちらがお薦めです。

 部品は全て秋月電子から入手可能です。保護装置に関しては、各自の都合で決めて頂いて結構ですが、回路上に保護回路がないので、何らかの対策は必要です。(保証は致しません)


目標仕様

 あくまで入門用なので、電力容量のアップは考えておりません。先ずは小規模で本装置の効果を実感頂き、次のステップに移行して頂くことを考えて設計しています。


kiCADによる回路設計

 基本設計は、実績のある現行版を踏襲します。ただし、半導体など部品はアップデートします。ブリッジダイード以外は全てプリント基板上に実装します。現行版では電流センサーが2.54mmピッチでないための取り付けに苦労したと思いますが、今回はプリント基板なので大丈夫です。
 36V系太陽電池と24Vバッテリーの組み合わせで使用される方も想定し、DC/DCコンバータは12Vでも24Vでも動作するようになっています。また、キャンピングカーなどでの使用を想定し、ノイズフィルターも実装しました。


画像はクリックすると拡大されます。

 回路にご興味のある方に、設計情報を公開させて頂きます。ご自身で製作される時の参考にして頂ければ幸いです。(基板は銅厚70umで製作ください。)なお、各資料は無断転載禁止とします。

 申し訳ありませんが、ご自身で作成された基板を他人へ配布する行為は、無償であっても特許侵害となりますので、行わないでください。あくまで、ご自身が趣味として楽しまれる目的での利用に限ります。



画像はクリックすると拡大されます。


組立図

 まだ部品手配もしておりませんが、実際に組み立てする際の参考に、実体配線図を提供します。現行版よりも、組み立てが随分と簡単になっています。
 大電流が流れますので、配線にはAWG14程度の太いケーブルを使用してください。まお、ビス止め部分は、丸端子(R2-3.5)をかしめてからご使用しください。


理想ダイオードを使った循環電流防止装置(2020.6.26)

 いよいよ本題です。従来型では逆電流防止のためショットキーバリアダイオードを使用していました。それでも順方向の電圧低下は1V近くあります。
 当所のように充電電圧を調整できるチャージコントローラをご使用の方は特に問題はありませんが、安価なコントローラでは充電電圧を調整できず、満充電時のバッテリー電圧が1V近く低下し、充電容量が定格の90%程度にしか到達できません。また、1Vの電圧降下があると、流れる電流が20Aとすれば、20Wの電力が本装置によって消費されます。

 そこで理想ダイオードを使った循環電流防止装置を検討してみました。理想ダイオードはFETの他に専用のICと幾つかの電子部品が必要で、回路は複雑になります。
 また、従来モデルでは電流センサーによって電流の方向を判定していましたが、大電流になると逆に微小電流が正確に計測できなくなる欠点がありました。そこで、理想ダイオードの動作原理を使った新しい手法でのFETスイッチングを実現しています。


目標仕様

 皆様のお便りを見ていますと、意外と大容量の太陽電池モジュールを使用されている方が多いと思います。山小屋やキャンピングカーで利用されている人も結構います。

 それならば12Vシステムで最大500W程度、24Vシステムで最大1kW程度の入出力が可能な装置にすべく仕様を考えてみました。


理想ダイオードとは

 ここではアナログデバイセス社のLTC4359を例にあげて説明します。LTC4359のデータシートにあるIC内部のブロックは下図のようになっています。

 LTC4359は入力側(Vin)と出力側(Vout)を電位差検出し、順方向に電流が流れる時(Vin>Vout)の時だけ外付けFET(Q1)がONするようにゲート制御します。30mV以上の電位差があればONします。Q1のソース(S)とドレイン(D)に注意してください。この間に図示しないボディダイオードが存在がありますが、ボディダイオードは順方向に電流を流すようになっています。そのため逆方法には全く電流が流れません。


仮に、D回路と呼ぶことにします。

 左図は、LTC4359の最も一般的な使用方法です。敢えて外付けFETのボディダイオードが書かれています。
 ボディーダイオードがあるため、Vf以上の電圧ではFETがONしなくてもボディーダイオードを通じて電流が流れる構造になっています。
 この回路は今まで使ってきたショットキーバリアダイオードを完全に補完できます。
 なおD1,D2,Coutは保護用の部品で基本動作には関係しません。


仮に、S回路と呼ぶことにします。

 左図は、上記の解決方法として、Q2を付加してボディダイオードの向きを相殺しています。
 この方法を使えば、完全OFFの状態を作ることができ、理想ダイオードをスイッチとして利用することができます。

 この場合でもLTC4359はVinとVoutの電位差30mV以上でQ1,Q2をONするように動作します。
 要するに電流センサーを使わなくとも端子間の電位差により、スイッチのON/OFFが実現できます。

 なお、R3は必須ですが、D4,C1,R4は保護のため設けられています。詳しくはLT4359のデータシートをご覧ください。


kiCADによる回路設計

 おさらいです。循環電流防止装置の構成要素は、
 (1)各バッテリーに逆流を防止するため、充電ダイオードと放電ダイオードを設置する。
 (2)電流センサーとコンパレータを使って電流方向を検出し、充電側FETスイッチと放電側FETスイッチを交互に切り替える。
 でしたね。

 (1)は上記のD回路によって完全に代替できます。ダイオードとは違ってFETの場合はON抵抗(Rds)によって電圧降下を生じますが、今回使用するFETは、50A流してもRdsは2.5mΩと微小です。

 (2)は上記S回路を2組使用することで実現できると考えます。
 LTC4359には、IN側とOUT側の電位差を計測して、電流方向を検出する機能があります。
 放電側は、Vinをバッテリー側、Voutをチャージコントローラ側に接続すれば、
 ・「バッテリー電圧>チャージコントローラ電圧」であれば、
   FETがONしてチャージコントローラ側に電流が流れます。
 ・「バッテリー電圧≦チャージコントローラ電圧」では、FETがOFFで電流は流れません。
 充電側は、Vinをチャージコントローラ側、Voutをバッテリー側に接続すれば、
 ・「バッテリー電圧<チャージコントローラ電圧」であれば、
   FETがONしてバッテリー側に電流が流れます。
 ・「バッテリー電圧≧チャージコントローラ電圧」では、FETがOFFで電流は流れません。
 放電側と充電側が同時にONする条件はありませんので、循環電流は流れません。

 設計が終わった初期回路図はこちらです。


 充電側のVoutの電圧検出については、下流側にD回路があるので、バッテリー電流は完全に遮断されています。そこでFETのSD間に100kΩの抵抗を挿入して、充電側S回路のLTC4359がバッテリー電圧を検出できるようにしています。高抵抗なので流れる電流は極く僅かです。(24Vで100kΩなら流れる電流は最大でも0.24mA/回路)
 放電側は理想ダイオード用のFETのボディーダイオードから電流が流れますので不要です。
 肝心の性能ですが、順方向電圧低下は各12.5A、トータル50Aが流れたとして理論値で0.29Vです。
 基板の銅箔厚は70ミクロンにします。パターン幅1mmで2Aの電流が流せます。大電流の流れる部分は、パターン幅12mmかつ両面にしていますので、スペックは満たせると考えます。


LTspiceによる動作シミュレーション

 幸いにもメインのICがADI(旧リニアテクノロジー)製でしたので、LTspiceのモデルがありました。またスイッチング用のMOS-FETもモデルがありましたが、鉛蓄電池やチャージコントローラのモデルは当然ながら存在しませんので、電圧源とダイオード、負荷抵抗を組み合わせて簡易モデルを作成しました。

 シミュレーションの結果、データシートにある突入電流制御回路(上記S回路のC1,R4相当)は、動作が遅くなり実用に絶えませんので、不採用としました。また、電圧検出用のFETと並列にある抵抗について、放電側(旧回路図R16,R26,R36,R46)は削除、充電側(旧回路図R15,R25,R35,R45)は100Kから10kに変更しました。改良後の回路はこちらです。

 シミュレーション結果は、こちらをご覧ください。全く問題なく動作することが確認できました。ちなみに電圧低下は20A流して0.1V程度と大変良好です。
 このICはORing用として開発されたもので、125HzになるとIC自体が動作しないようです。恐らくはIC自体の電源の問題です。(電源はIN側から取っています。)しかし、12.5Hz-0.125Hzでは理論通りの動作をしていますので、太陽光発電向けとしては支障がないと判断します。


設計情報の公開

 回路にご興味のある方には設計情報を公開させて頂きます。ご自身で製作される時の参考にして頂ければ幸いです。

 今回は部品点数が多く、かつDIPサイズでは供給されない部品もあり、端子台とLED以外は表面実装部品を採用しています。使用部品に関しても可能な限りFUSIONのストック部品から選択しています。
 なお、FUSIONの部品実装サービスを調べて見ましたが、DIP部品の手作業より表面実装の方が随分と費用が安いようです。もちろん、クリーム半田を塗布するためのメタルマスク込みの費用です。



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 各資料は無断転載禁止とします。申し訳ありませんが、ご自身で作成された基板を他人に配布する行為は、無償であっても特許侵害となりますので、行わないでください。あくまでご自身が趣味として楽しまれる目的での利用に限ります。

 


組立図

 実際に組み立てする際の参考に、実体配線図を提供します。
 40A時の発熱量は8Wと推測され、銅箔の両面ベタ部分で相応の放熱が行われると見ています。(基板は寝かせず立ててください)
 放熱が気になる方は、基板裏面のフラットな部分に放熱シートを挟んで、適切な放熱器を設置ください。放熱器の固定用に穴が4つ空いています。



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実証試験スケジュールと基板頒布(終了)

 LTspiceでのシミュレーションで動作確認ができましたので、7月1日に試作基板を発注しました。

 今後の予定ですが、

  • 試作基板が出来上がるまで1ヶ月(7月末)

  • その後、ケースなど設計と部品集め、全体の組立に2週間

  • 実使用評価に1ヶ月を要する見込みです。(お盆〜9月25日)

  •  評価が終了し試作基板の頒布を行っておりましたが、お陰様で、募集から2ヶ月後の10月8日に完売しました。次回試作に乞うご期待!  

     ※試作品ですので製品保証は致しません。返品や交換もお断りしております。何か問題があれば各自解決することを大前提とし頒布致します。

     ※第1回目の価格は、FUSIONの領収書にあるように、試作代金が約12万円*(1,133USD)、通関費用が約1万円(89USD)掛かっております。お客様への発送には、梱包材料代と送料で@千円程度と見込んでおりました。(*半導体の価格が高いため)

     なお、友人を集めての勝手な試作頒布や再販は特許侵害となりますので、ご注意ください。


    試作基板完成

     発注から27日間を経て、FUSIONより試作品が到着しました。基板端子台とLEDは、SMT部品ではないので、付いていません。頒布時もこの形態となりますので、各自LEDの手配と半田付けをお願いします。



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    総合組立 1号機 (2020.8.11)

     毎回、ケースをどうするか迷うところですが、今回はタカチのアルミケースと日東のプラボックスの2種類での試作を行います。先ずはタカチのアルミケースから。



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     今回はタカチ電機工業のFC6-30-25GSを使用しました。基板と端子台2個をセットしても十分な余裕がありますが、ヒューズボックス付きケーブルやAWG10(5.5SQ)の太いケーブルを収納するためには、作業性も考慮すれば適切な寸法です。

     このケースはバラ部品で送られてきますので、自分で組み立てる必要があります。組み立てる前に、底板の穴あけを行います。参考図面はこちらです。使用するボルトナットは全てM3です。


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     基板全体での発熱量は最大で8Wと想定されます。今回の基板は70ミクロンの厚銅かつパターン面積が広いので、基板表面からの放熱が期待できますが、念のため小さな放熱器(150x20x5mm)を2枚取り付けます。ケースに余裕のある方は、ヒートシンク高さを10mm以上にしてください。

     基板裏面が端子台部分を除きフラットなので、裏面に絶縁シートを挟んでヒートシンクを取り付けます。予め基板には放熱器固定用の穴が4箇所空けてありますので、それを利用して取り付けます。
     当初、放熱器にタップを切る予定でしたが、肉厚が余りにも薄く、ビス止めに変更しました。従い、取り付け穴はφ3.5mmとしてください。

     放熱器を新たに作る場合はこちらを参考にしてください。


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     ヒートシンクと基板の間に挟む絶縁シートです。絶縁性だけでなく、熱伝導性が非常に重要となります。今回使用したのは、シリコン製の熱伝導率が6.0W/mKという高熱伝導のものです。
     結構柔らかい材質なので、保護シートのまま加工します。カッターナイフと事務用パンチで加工しました。


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     基板に端子台を取り付けます。
     基板の熱伝導率が高いのと、端子台の熱容量が大きいので、半田コテは60W以上のものを使って、じっくりと加熱して、半田を溶かし込んでください。上下2層とも電流が流れますので、必ず表面にも半田が流れ出るように注意してください。


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     半田について
     素人工作では、無鉛半田の半田付けは融点が高く難しいので、一般には有鉛の共晶半田を使用します。共晶半田は鉛と錫の配合が37:63ですが、似たような配合でも少しでも違うと融点が大きく変わります。

     筆者は写真上の半田を使用しています。ヤニが結構多いのですが、「両面基板用」をうたうだけあって、半田の流れが非常に良いです。出来上がりに差が出ますので、ぜひ拘ってください。


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     ヒートシンクの基板への取り付け
     M3のビスとナットで固定します。ヒートシンク面はナット止めとしています。ワッシャやバネ座金はスペースとビス長さの都合で省略しています。基板面は、左下図を参考にして頂ければわかるように、5mm程度のスペーサーをかませています。
     この辺りは各自、臨機応変にご対応ください。


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     LEDは無くとも構いません。
     今回のLEDは、基板の動作状態を判定するために使用しています。従来のように、充電状態や放電状態を示すLEDではなく、理想ダイオードと理想ダイオード・スイッチの中間電圧を検出する目的で設けています。

     充電と放電の識別を行うには、市販のデジタルパネルメータ電流計などを、チャージコントローラと基板の間に挿入してください。


     今回の回路で要となるFETスイッチには、infineon社のOptiMOS60VシリーズであるBSC028N06LS3を使用しています。このFETはRdsが2.8mΩと驚異的な低ON抵抗です。充電側、放電側共に、導体抵抗を無視して5.6mΩしかありません。(理想ダイオードはシングル使用、FETスイッチはシリーズ・パラレル接続の贅沢な仕様です。)
     一般に電流方向を測るために使用されるシャント抵抗が5mΩ程度あり、折角のウルトラロードロップ仕様が台無しになりますので、敢えて電流センサーによる電流判定は設けないことにしました。
     なお非接触のCTセンサー式では、定格の5%未満は正確に計測できないそうです(URD社の説明)



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     Boxに基板と端子台2個を固定します。端子台はパトライト製のTFPM4002(40A2極)とTFPM2008(20A8極)です。
     固定はM3のビスとナットを使用します。平ワッシャとバネ座金の挿入を忘れずに行ってください。


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     基板上の平ワッシャは樹脂タイプを使用して、プリントパターンや部品と接触しないように注意してください。
     特に左側の上下は、ワッシャー外径によっては、プリントパターンと接触する恐れがありますので、必ず樹脂タイプをご使用ください。


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     ヒューズは、自動車用の平型ヒューズを使用しました。ケーブルとヒューズハウジングのセットでAmazonで売っています。ヒューズ容量は20Aです。
     丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5を使用します。


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     バッテリーGNDを配線します。
     ハーネス(線材)はAWG14(2SQ)を使用します。
     丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5を使用します。


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     チャージコントローラ側の配線を行います。
     ハーネス(線材)はAWG10(5.5SQ)を使用します。曲がり難いので、余裕を持って配線してください。この断面積なら40Aは楽勝で流せるはずです。
     丸端子は端子台メーカー指定品で、R5.5-4を使用します。


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     既存の太陽光発電システムであるバッテリーおよびチャーコントロラとの配線を行います。接続は必ずバッテリー側を先に行ってください。
     チャージコントローラの配線を終えた後、チャージコントローラの電源がONであることを確認してから、太陽電池を接続します。(取り外し時と逆の手順です)
     なお、当所では太陽電池の最大出力が266Wなので、チャージコントーラ側はAWG14(2SQ)で配線します。
     丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5(8端子側)およびR5.5-4(2端子側)を使用します。

     アクリルカバーは特注品です。図面はこちらです。当方は、「アクリ屋ドットコム」に依頼しました。Web画面上から形状指定して図面が自動作成されます。


    上の写真にあるタカチケース付きの試作品をお譲りします。

     価格は送料込みで30,000円(1台限り)です。端子外部への配線は付属しておりません。当方で約1ヶ月のエージングを実施しています。試作品ですので、製品品質の保証はございません。何かあれば各自解決することを前提といたします。ご購入後の返品や返金、交換はお断りいたします。
     ご希望の方は、こちらから承ります。



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    実用試験開始(2020.8.11)

     既存システムへのセットアップも完了しました。初号機の循環電流防止装置に替えて、新しい装置が稼働し始めました。肝となる順方向電圧低下ですが、実測値は下図のようになります。今回使用したFETのデータシートを見て頂ければ分かると思いますが、使用する電圧値や電流値によってRdsは変化します。実測データから推測すると、40A流した時Vf=0.19V程度と推測されます。これであれば目標達成はできると考えます。(余談ですが、CH4のバッテリーはかなり劣化していると思われます。)

     従来品に比べ電圧低下が大幅に改善されたことから、チャージコントローラマネジャーにて、最大充電電圧の調整を行いました。従来は16.0V(電圧降下を1Vとして)、今回は15.0V(ボイジャーなので一般バッテリーより少し高い目)です。

     実運用結果については、こちらをご覧ください。
     本実験で使用した基板と同じものを頒布しています。くわしくはこちらをご覧ください。

    データ閲覧はこちらから

    10分毎にデータ更新しております。


    総合組立 2号機 (2020.9.22)

     2号機は日東のプラボックスでの試作を行います。部品サイズと作業性を考慮し、OPK12-2525CAを選択しました。耐候性がありますので、屋外での設置に最適です。



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     前述のタカチケースでの試作では、充電電流が10A時に、FETの表面温度が65℃、基板パターン面が58℃、放熱器最上部が50℃でした。半導体からの放熱が極めて少ない状況です。
     今回の放熱器は、ホームセンターで入手可能なアルミサッシを利用しました。15mm角で板厚2mmの凹形状のものです。150mm長さに切断し、φ2.5mmの下穴を空けてから、M3タップでネジを切ります。


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     ヒートシンクに絶縁シートを貼り付けた状態です。今回使用したのは、シリコン製の熱伝導率が6.0W/mKという高熱伝導のものです。
     結構柔らかい材質なので、保護シートのまま加工します。カッターナイフと事務用パンチで加工しました。


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     ヒートシンクの基板への取り付け
     今回はタップを切ってあるので、M3のビスで固定します。基板面は、絶縁のためナイロンワッシャーをかませています。


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     木製パネルに基板と端子台2個を固定します。端子台はパトライト製のTFPM4002(40A2極)とTFPM2008(20A8極)です。
     固定はM3の木ネジを使用します。平ワッシャの挿入を忘れずに行ってください。
     基板は木ネジでは固定できませんので、接着式サポートを使用します。秋月電子のペテットT-600です。接着だけでは経年変化に絶えませんので、木ネジで固定します。
     作業のコツは、先ずサポートと基板をM3のビスで仮固定し、サポートの剥離紙を剥がして位置合わせをしながら、木製パネルに固定します。固定後、基板を一旦取り外し、サポートを木ネジで固定します。


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     基板の固定には、樹脂タイプの平ワッシャーを使用して、プリントパターンや部品と接触しないように注意してください。
     ヒューズは、自動車用の平型ヒューズを使用しました。ケーブルとヒューズハウジングのセットでAmazonで売っています。ヒューズ容量は20Aです。丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5を使用します。
     バッテリーGNDを配線は、AWG14(2SQ)を使用します。丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5を使用します。
     チャージコントローラ側の配線はAWG10(5.5SQ)を使用します。曲がり難いので、余裕を持って配線してください。丸端子は端子台メーカー指定品で、R5.5-4を使用します。


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     既存の太陽光発電システムであるバッテリーおよびチャーコントロラとの配線を行います。接続は必ずバッテリー側を先に行ってください。
     チャージコントローラの配線を終えた後、チャージコントローラの電源がONであることを確認してから、太陽電池を接続します。(取り外し時と逆の手順です)
     なお、当所では太陽電池の最大出力が266Wなので、チャージコントーラ側はAWG14(2SQ)で配線します。
     丸端子は端子台メーカー指定品で、R2-3.5(8端子側)およびR5.5-4(2端子側)を使用します。

     当所では、今後の本番運用はこの屋外用ケースにて行うことにします。


    試験結果総括 (2020.10.1)

     実運用結果について、2019年9月と2020年9月のデータを比較しますと、バッテリーの劣化が進んでいるにも関わらず、電力効率(総消費電力/総発電電力)が59%から77%へ18%改善しております。
     ダイオードやFETの損失改善、装置自体の消費電力低減だけでなく、電流センサーの応答性が良くなったため、特に曇りの日のMPPT追従性が良くなり相対的に発電量が増えています。
     理想ダイオード型の循環電流防止装置の効果は絶大です。自信を持ってお薦めできます。


     消費電力の違いは、2020年3月の庭園等の改修工事にて夜間の消費電力が増えたためです。消費電力が1.5倍になったにも関わらず、発電電力量はむしろ減っています。


    理想ダイオード型循環電流防止装置 MK2

     第一回の試作品では、充電放電の動作状況を確認できるモニター装置が付いておりませんでした。今回は二回目の試作に向けて、モニター装置を考えてみることにしました。


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     基本回路は前回を踏襲します。LTSpiceを使って、回路上のどのポイントを計測すれば、チャージコントローラへの電流方向が判別できるのか調査してみました。
     結果、放電スイッチの中間電圧を計測すれば判別可能だとわかりました。シミュレーションを駆使しながら試行錯誤で、オペアンプを使った判別回路を決定しました。オペアンプは単電源で動作でき、Rail to Railのタイプが良いようです。


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    設計情報の公開

     各資料は無断転載禁止とします。申し訳ありませんが、ご自身で作成された基板を他人に配布する行為は、無償であっても特許侵害となりますので、行わないでください。あくまでご自身が趣味として楽しまれる目的での利用に限ります。

     


    試作基板配布のお知らせ

     6月10日に予約枚数が8枚に達し、MK2基板の試作を発注いたしました。7月下旬〜8月上旬には頒布できる予定です。ここ1年で半導体価格が高騰しており、頒布価格は1枚あたり25,000円(予約分は23,000円)です。大幅な値上げとなりましたことお詫びします。
     頒布をご希望の方は、こちらからお申し込みください。

     ※試作品ですので製品保証は致しません。問題があれば各自解決することを大前提とします。
     ※購入後の返品や返金、第一回目の試作品からの交換はお断りいたします。


    当発電所の最新情報

     現在、蓄電池としてACデルコ製の鉛蓄電池M27MFを4台並列にして使用しております。
     2020年10月30日に3号機と4号機を新品に交換し、2015年1月18日に設置した1号機と2号機とで、新旧混合運転を実施しております。

     通常、鉛蓄電池であれば、6年間使用した古い電池と新品を並列で使用すると、電池の内部抵抗にかなりの差があるため、新電池から旧電池へと循環電流が流れ、新品電池は殆ど蓄電池としては機能しなくなります。これは電池メーカーが全く推奨しない使用方法です。
     ところが、当所では循環電流防止装置の効果で、日々のデータを見て頂ければ一目瞭然、新品電池は旧電池の影響を全く受けていないことが分かります。


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    第一章

    30Wベランダ設置型 太陽光発電システムの製作

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    第四章

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    この記事を参考にして製作される場合、次の点にご注意下さい。
    ・記載内容(材料や価格、加工や設置方法など)に関する保証は致しません。
    ・動作不良や機器故障、事故や損害等に関しての一切責任を負いません。
    あくまで「自己責任」でお願いします。